アレクセイ・ゲルマン「神々のたそがれ」

先ほどシネヌーボーで観てきました。久々に本格的「ソ連」映画(ロシア映画じゃなく)を観た感じ。

ソ連映画を見ていた方ならそんなに違和感なく見られます。書き込みが異常に多い映像ですが、話は単純明快、2時間ほどに縮めた方がすっきり見られたのになと残念でした。
間違いなくソ連のいつものSFです。テイストとしてはやや重ための「不思議惑星キンザザ」と考えてください。そのキンザザをはじめ、タルコフスキーやニキータ・ミハルコフを意識した映像作りや演出が随所に見られます。意外だったのはヒッチコックに影響されてるのかなと感じる演出も多かった点です。ギリアムの夢三部作なんかも影響を与えてるんじゃないかな。
あと、宣伝では「糞尿にまみれている」と強調されていますが、あくまで他所の星の800年ほど遅れた文明の文化を描くツールとして使われているだけで、 劇場で見る限り、不快感や残虐性はほとんど感じません。ハリウッド映画を見慣れていれば神経逆なでされるほどのことは全くないと言っても過言ではないです。そして、このツールこそが映画のエピローグで「何かが変わった」ことを映像的に説明するため最大の武器となっています。たじろがず、しかと見届けましょう。
最近、辛口の酒が少なくなったとお嘆きの貴兄にはおすすめできる酒です。

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