ロボコップ(2014)吹替版

 ポール・バーホーベンの名作に対して頭が高いよね。脚本や作品の出来はもちろん、制作企画を立てたこと自体が。ヒューマノイドロボットが実現間近な時点でここに光を当てたことが評価できるぐらいか。ただ、時代の違いを考慮したとしてもあのロボコップの動きはないでしょう。どう贔屓目に観てもロボットの着ぐるみ着た役者の動きだ(笑)

 バーホーベンの問題作から毒や残虐表現、社会・会社風刺、信仰心などの「テイスト」を抜き去ったらあんなつまらん映画ができちゃうんだという反面教師的な作品意義はあるかな。要はロボコップのリメイク権買って一儲けしようという根性がこの作品には最も似つかわしくなかったというべきなんだろう。

 役者も大物揃い。サミュエル・L・ジャクソンに始まり、マイケル・キートン、ゲイリー・オールドマン、それにサム・ライミの『ギフト』でケイト・ブランシェットを「助ける」名演を見せたバディ役のアクターまで。このキャスティング観ても金かかってるのが一目瞭然。そこまでして、なぜ敢えてロボコップを取り上げ徹底して「毒抜き」したものを作ろうと思ったのか。金に目が眩んだのだとしか理解できない。

 最も容認できないのは、『トータル・リコール』のリメイク作品のような、作り手たちが元作品が大好きでワクワクして作っているという雰囲気が微塵も感じられなかったこと。完全に金儲けの手段として作ったのだなと確信する出来であった。その意味でプロデューサーがこの作品の最大の癌だったのではなかったかと邪推を禁じ得なかった。こういうリメイクプロジェクトは誰も幸せにしないので止めてもらいたいところです。

2017.2.5 ★★

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Sci-Fi

次の記事

復活の日