GHOST IN THE SHELL

元のストーリーと違う筈なのだがあまり違和感を感じなかった。一つ一つの印象的シークエンスにいちいち最大限の敬意が払われているからだろう。自分でもよく解らない感動があった。初見の感想としては名作の重厚感で満ちていると言いたい。

これまでこの種の映像で金字塔だったブレードランナーは過去の栄光となるだろう。CGIはもちろん、現実の世界から見つけてきた景観描写も超一級の表情を見せており、現時点の映像表現の極限の集大成作品だといってもおかしくない。あまりに濃厚すぎて二三度では味わい尽くせない様々なテイストで満ち溢れている。

サウンドデザインも凄い。銃声は、パンパンではなく、ドスドスと重低音で体中に絡んでくる。かといってうるさいわけではなく、むしろ地味で繊細な音使いで映像表現を立体的に引き立ててくる。家で聞くにはダイナミックレンジが広すぎる感じ。

攻殻機動隊という作品は、文字通りの無国籍作品であり、後々の世界の歴史の教科書に載るような品質のものなのではないかと言うことをハリウッド実写化で思い知らされた。アメリカと中国の資本で動いていたようだけど、反日要素皆無。むしろ作品への敬意を感ずる仕上がりになっている。米加上海ニュージーランド等々、世界中のプロダクションが参加、原作・俳優以外は日本の影が薄い感触。というか日本も相対化されてしまうほとどこの作品が世界標準と受け止められていることをひしひしと感じてしまう。

関係ないけど、草彅素子が乗るHONDAのバイクが、AKIRAの金田のバイクのテイストがしてカッコイイ。SUZUKIの金田のバイクが残念だったと思う人は必見だろう。2017.4.11

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