メッセージ
最近はCGIで容易に描けるもんだから、有事描写はリアリズム一色で、この作品もご多分に漏れずリアルな描写で第三種接近遭遇、所謂CE3Kを描いてみせる。しかしファーストコンタクトものと見せかけて実は本題は違う。
原作読んでいないが話の構造は映画だけからでも見通せる。シナリオは原作の醍醐味をあまり上手く写せてないように思う。もちろん部分部分はとても良い感じだが、映画の出来としては60点位か。
舞台の大部分はWindowsXPのデスクトップ壁紙のような草原。冒頭で霧の川流れるCGIで描いたかの俯瞰撮影図として登場するのでXP的世界観のデザインかと見紛うが、恐らくこれはリアルな霧なんではないかと思う。そういう意味では良く撮れている風にも思うが、想いは複雑だ。デスクトップ感は拭いきれない。(笑)
ヒューマンドラマの部分も良く出来ていると思う。ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品初鑑賞なので良く知らないのだけれど、この人はドラマが得意なんではないかという感触がある。Amy Adamsが非常にチャーミングに撮れてる。そういう所も、異星人だとか宇宙船とかよりも人間描写に自信がある監督の感触がする。ヴィルヌーヴSF向いてないよ。
陰気だし、パッとしないラストだし、劇場で観るより家で一人で観る方が良い作品ではないか。劇場で観るとしても一人で見に行った方がいい。間違ってもつきあい始めのデートで観に行ってはいけない奴だ。(笑)
2017.6.1 映画の日 ★★★