パウル・クレー展 at 兵庫県立美術館
ちょっと前に行ったパウル・クレー展 at 兵庫県立美術館。クレーって典型的な構成主義者だと思ってたけど、実はそれに批判的で、むしろプリミティヴな指向を強く持っているので驚いた。
クレーの前に観たマグリットとどこか通ずるところがあり、マグリットがフレームにこだわってたのに対し、クレーは動き、音、色合い等、人が根源的に持っている感覚をいかに見えるようにするかに強くこだわっているように思った。
それは同時に、プリミティブなレベルで人間とは何かを突き詰めることになるけど、サルトルの実存主義やC.レヴィ=ストロースの構造主義などのフランス現 代思想の萌芽がそこに見える。こうした思考は20世紀前半のヨーロッパに共通する何かを源泉として持つのであろう。アルタミラ洞窟の壁画や子供が書いた絵 はいつまでも観ていれるがまさに絵画としてそこを目指していたんだろうな。