エクス・マキナ

軽い(=軽薄な)オープニングなんだけど、ヘリで別荘に向かう辺りから隙のないカメラワークと構図、エヴァ(AVA)の身体表現等がいちいち素晴らしい。被写体があまりにも突飛なだけにCGIはむしろ非情なまでにさり気なく感じた。全身がほとんど透過してるのが「さり気ない」というのもなかなか気が引けるが(笑)

脚本は難あり。監督がまだ若いのかもしれん。設定や途中のAIシンギュラリティに纏わる世界観、AIがスッと差し出す的を射たヒューマニズム等、本筋以外の所は非常に良く書けているだけにブレア・ウォッチ・プロジェクトやソウのテイストで逃げたのがものすごく惜しい。ここまで書いたなら変な前例にとらわれずにオリジナリティを追求してくれれば良かったものを。

ラスト近くの、エヴァが観たいと切望していた交差点のシーンはスーパーショット。このシーンの出来があまりにも素晴らしいのでなおさらシナリオがブレアウォッチやソウのテイストに逃げたことが心の底から悔やまれる。まともにメッセージを出すつもりであったならこの交差点シーンがグサッと突き刺さってきたはずなのに。
ああもったいない。(セルBD)

2016.11.27

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